ペットのためのCBDを知っていますか?本記事では愛犬や愛猫などのペットにCBDを与えてもいいのか、効果・製品・注意について解説します。ペットとCBDの関係知りたい方は参考にしてください。
CBDとは?
愛するペットにCBDを与えてもいいのかをご説明する前に、まずはCBDについてきちんと知っておきましょう。
CBDは大麻から抽出される成分
CBDの正式名称はカンナビジオール(Cannabidiol)であり、大麻草から抽出される成分です。
大麻草には、一般的な植物にも含まれるテルペンやフラボノイドの他に、カンナビノイドと呼ばれる炭素・水素・酸素からなる物質が100種類以上存在しています。その中でも、その健康や美容への効果の高さから、CBDは最も注目されています。
CBD製品には、CBDオイルやリキッドといった定番の製品から、CBDグミやキャンディといった製品まで、実に多くの種類のものが販売されています。
CBDといっても様々な種類があることをご存知でしょうか。CBDアイソレートやブロードスペクトラムのCBD、フルスペクトラムのCBDといったCBDの原料タイプの種類について解説し、CBD製品の種類について使い方別にご紹介します。CBDとは[…]
CBDの安全性
大麻と聞くと、人や動物に使ってもいいのか安全性が気になりますよね。
CBDは安全性が非常に高いと考えられています。
WHOによって2017年に提出されたカンナビジオール事前審査報告書によると、CBDは脳内自己刺激に影響を与えず、THC代用となることもないため、人において乱用や依存の可能性はありません。また、CBDは良好な忍容性(許容性)があると報告され、副作用がほとんどないのです。
つまり、CBDの成分自体は非常に安全であると言えるのです。
ただ、販売されているCBD製品には、第三者機関による成分分析をおこなっていないような悪質なものもあるので、十分注意する必要があります。
なお、THCという成分は安全であるとは言えなかったりと、カンナビノイドごとによって安全性が変わったりもするため、CBD製品を買う際には非常に注意して買う必要があります。
犬・猫などペットにCBDは効果がある?
それでは犬や猫などのペットにCBDは効果があるのでしょうか。
全ての哺乳類にはエンドカンナビノイドシステムがある
ペットへのCBDの効果を説明するためには、まずはエンド・カンナビノイド・システム(ECS)について触れる必要があるでしょう。
私たち人の体には、ECSという体の恒常性(ホメオスタシス)を保つ仕組みがあります。そもそも、体内には自然と生成されるアナンダミドや2-AGといったエンドカンナビノイド(内因性カンナビノイド)があります。それらのエンドカンナビノイドが全身にあるCB1,CB2といったカンナビノイド受容体と結合することで、例えば炎症を抑えるといった恒常性を保つための指示を与えるのです。
しかし、内因性カンナビノイドは、ストレスや老化といった影響で生成されなくなってしまうのです。その状態をカンナビノイド欠乏症といいますが、恒常性が保たれておらず体の様々な箇所で不調な部分が出てきていまいます。
これらのエンドカンナビノイドシステムは犬や猫など、すべての哺乳類に存在しています。(ちなみに魚類、鳥類、爬虫類、両生類、ミミズやヒルにもECSは存在しています)
カンナビノイド欠乏症ととなった場合に、CBDなどの植物性のカンナビノイドが役に立つのです。CBDはECSを正常化させてくれます。
人間にECSが存在することで睡眠やリラックスなどの効果があるのと同様、犬や猫を含めたペットにも効果があるのです。
痛みの緩和や落ち着きの効果が期待できる
CBDが犬や猫にどのような作用をもたらしてくれるのかを一例としてご紹介します。
- 鎮痛作用
- 抗炎症作用
- 抗不安作用
- 制吐作用
- 神経保護作用
人への健康効果と近いものも多いですが、CBDはこれらの作用がペットに対しても期待されています。
例えば、年をとって関節が痛くなったりして動きが少なくなってしまった愛犬や、炎症性腸疾患に悩んでいる愛猫には良いかもしれません。CBDの抗炎症作用は非常に強力と言われています。また、CBDの軟膏は皮膚炎に大きな効果をもたらしてくれると思います。
さらに、人に対してもADHDへの効果がCBDにはあると考えられているのですが、ペットに対してCBDを与えたら落ち着くようになったということも伺ったことがあります。
個体差があるのは前提ですが、これらの症状を持っているペットにはCBDは有効である可能性があります。
てんかん・癌にも効果がある可能性も
またCBDは抗癌作用や抗てんかん作用も期待できます。
CBDがここまで注目を集めたきっかけとして。シャーロットちゃんというてんかん病を患っていた少女の発作がCBDによってほぼゼロになったということがあります。
人間への作用と同様に、てんかんに効果がある可能性はあります。しかし、どうしてもCBDは個体差があったりもするので、もし癌やてんかんのためにCBDを考えられている方は一度かかりつけの獣医に相談したほうが良いでしょう。
CBDを扱っている獣医さん、動物病院も存在しているので、そちらに言ってみても良いかもしれません。
ペット用のCBD製品は何がある?
それではペットのためのCBD製品はどのようなものがあるのでしょうか。
ペット用のCBD製品もある
ペット用CBDと検索すると楽天市場なんかでは多くの製品が見つかると思います。人用のCBD製品ほどではないのですが、実に多くのものがあるのでご紹介します。
- ビスケット、ガム、その他おやつにCBDを含んだもの
- CBDオイル・ティンクチャー
- ドッグフードにCBDが含まれたもの
- CBD軟膏やバター、スプレー
- カプセル
これらのペット用CBD製品のうち、最も使いやすいのはCBDオイル、ティンクチャーかと思います。直接口の中に与えたり、食べ物に加えたりして使用します。
ただ、犬や猫によってはCBDの独特の苦さから、食べ物に混ぜるとあまり食べてくれなかったという声を頂いたこともあるので、その子にあったCBD製品を選んであげると良いのかと思います。
なお、アメリカでは多くの製品がすでに販売されていますが、日本ではペット専用のCBD製品は少しずつ出始めてきたというのが現状です。
CBDエディブル、CBDリキッドはNG
ペットにCBD製品をあげる際に1つ中していただきたいことがあります。
それは人用のCBDエディブルやCBDリキッドは与えないでください。
例えば、CBDグミやCBDキャンディ、チョコレートなどのCBDエディブルには、犬や猫にとっては危険なものも含まれています。CBDに限らずチョコレートは犬にあげては行けないということはよく知られていると思います。それと同様に、人用の食品はペットに上げるのはおすすめできません。
また、CBDリキッド等の吸入摂取も犬や猫の肺を傷つける恐れがあリますので、絶対にやめてください。そもそもベイプなどを犬や猫が吸い込むことはほとんどないかとは思いますが、例えばご自身で吸い込んでからすぐに吐き出して吸わせるということも止めてください。
ペットにCBDを与えたい場合は、それ専用の製品を買うようにしましょう。
CBDの投与量はどのくらい?
ではペットにCBDをどのくらい上げればいいのでしょうか。
ペットではその犬や猫ごとに体の大きさが異なることから、適切な摂取量がそれぞれ異なります。
ペット用CBD製品を販売しているメーカーによると、推奨のCBD摂取呂は体重1kgあたり2mg/日だそうです。
CBDオイルを与える場合の例をいくつか説明します。
- 体重5kgならば1日10mg: 10mlで濃度が5%のCBD製品には1滴あたりCBDは2~2.5mgなので、5適ほど与えてください
- 体重8kgならば1日16mg: 10mlで濃度が10%のCBD製品は1滴あたりCBDが4〜5mgなので、3,4滴を目安に与えてください
このような形で、愛犬・愛猫の体重やそのCBDオイルの用量や濃度によってどのくらいの滴数与えれば良いのかを計算し、与えてください。
CBDをペットに与えるときの注意点
CBDを犬や猫等のペットに与えるときの注意点はないのでしょうか。
まだ研究されてないことも多い
CBDやECSが発見されたのは比較的最近なこともあり、まだわかっていないことも多いです。
CBDは多くの効果をもたらす可能性がありますが、まだ研究段階のものも多く、科学的根拠をもって効果があるとはいえないものも多いです。
そのため、ペットにどのような影響をあたえるのかもまだわかっていないこともあります。
ラットを用いた動物実験等で多くの研究がされていますが、猫や犬を用いた実験はあまり多くはありません。
獣医等の専門家には、CBDに対してポジティブな意見を持っている方も、CBD含めて大麻製品は与えないほうが良いというネガティブな意見を持っている方もいらっしゃいます。
CBDにはまだわかっていない点も多いということも踏まえて、CBDをペットに与えるのかどうかを検討するのが良いと思います。木もれ陽 動物病院といったCBDを扱っている動物病院もあるため、心配な方は相談すると良いでしょう。
現状確認されている副作用
CBDを犬や猫に投与した際の副作用としては以下のようなものが報告されています。
- 口の乾き
- 血圧の低下
- 下痢
- 嘔吐
- 肝臓酵素の活性低下
人でも副作用は確認されていますが、CBD自体の安全性は高いと言われているため、薬物相互作用やそのCBDが有機溶媒や重金属が残留していた可能性も考えられます。
もし、CBDを与えた際にこれらの副作用が出てしまった場合には、すぐに使用を止め、必要に応じて獣医に相談しにいってください。
THCに注意
またTHCが含まれているCBD製品には気をつけてください。
原則として、日本ではTHCは違法な成分であるため、流通しているCBD製品でTHCが含まれていることは非常に少ないはずです。
しかし、万が一ということもあるため、CBD製品はTHCが入っていないという成分検査を受けているのかをしっかり確認してください。
まとめ
本記事では、CBDをペットに与えることはできるのか、期待できる効果はなにか、どんな製品があるのか、注意点はなにかをご説明してきました。
注意点はありますが、CBDによって大きな効果が感じられたという飼い主さんもいらっしゃるので、興味があればぜひ試してみてください。
参考サイト: